AACファイルがWALKMANで再生できないときの対処方法

2009年に発売されたA840シリーズのNW-A847を今でも使い続けています。

フルデジタルアンプ"S-Master"や64GBメモリ搭載といったスペックで当時のメモリータイプウォークマンでも最上位モデルだったと思います。MP3/WMA/ATRAC/ATRAC Advanced Lossless/リニアPCM/AAC/HE-AACのフォーマットに対応しています。

FLACや最近のロスレスやハイレゾフォーマットには当然対応していません。アプリなども入らないのでストリーミングサービスの音楽も聴けません。それらが聴きたいときはスマホで代替します。

最近はCDも手に入りづらくなったので音楽購入サービスで楽曲ファイルを買ってみたらトラブルが起きました。


起きたこと:iTunes Storeで購入したAACファイルが聴けなかった

iTunes Storeで楽曲ファイルを購入し、NW-A847にコピーして聴こうとしたら、再生されずにフリーズしてしまいました。

3曲買って1曲は聴けて、2曲は再生できない状態でした。


原因調査

再生できなかったファイルのフォーマットはAAC 270kbpsぐらいのもの。NW-A847はAAC 320kbpsのものまで再生できるので問題ありません。

再生画面に進んだときにアートワークが表示されず、楽曲時間のところが0:00になっていたのでメタデータの読み込みがうまくいっていない様子です。

AACファイルを再変換してしまうと元の音質から変わってしまうので変換しないで済む方法を考えました。


対処:メタデータ部分を削除すると再生できました

iTunes Storeで購入したAACファイルにも曲名やアーティスト名などのメタデータ、アートワーク(ジャケット画像)が入っているので変更や削除してみます。

手元にあったタグ変更できるツールや機能で試していきました。


方法1: Windowsのファイルプロパティでメタデータ部分を変えてみる

WindowsではAACファイルを右クリックして詳細開くとメタデータをいじれます。

変えてもフリーズする状態は変わりませんでした。


方法2: MediaGoでメタデータ部分やアートワークを変えてみる   

MediaGoアプリがPCに入っているのでメタデータをいじってみました。アートワークを追加したり削除してみました。

変えてもフリーズする状態は変わりませんでした。


方法3: Nero AAC Codecのneroaactagコマンドでアートワークを消してみる

neroaactagコマンドでアートワークを削除するオプションがあるのでやってみました。

neroaactag <AACファイル名> -remove-cover:all

消してもフリーズする状態は変わりませんでした。(メタデータの編集まではこの時やっていないので、やったら解決していたかもしれない)


方法4: ffmpegのコマンドでメタデータやアートワークを消してみる

ffmpegで下記のオプションで処理したファイルは再生できるようになりました。


メタデータや構造を見る

ffmpeg -i <AACファイル名>

-i <AACファイル名>は入力ファイル名の指定

または下記のコマンドでも見れる

ffprobe <AACファイル名>

<AACファイル名> は入力ファイル名の指定


メタデータやアートワークを削除する

ffmpeg -i <AACファイル名> -vn -codec:a copy -map_metadata -1 <出力AACファイル名>

-i <AACファイル名>は入力ファイル名の指定

-vnは映像無しで出力する

-codec:a copy オーディオコーデックの指定で再エンコードしないでコピーをする

-map_metadata -1 元のメタデータのインデックスを指定(-1=存在しないもの?)

<出力AACファイル名> は出力するときのAACファイル名の指定


処理したファイルをWALKMANにコピーして再生してみるとフリーズ無く聴けました。

メタデータが無いのでアーティスト名や曲名が無くなって探しづらいので、再生できることを確認したら必要なタグを入れ直しましょう。

Next Post Previous Post